「役者」は一生涯「変化する」商売

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    私も長い事演劇やミュージカル、ライブの現場なんかで裏方をやっていますが、演目によってそれなりに仕事内容は違うものの、実は昔からやってる事はだいたい同じ作業であったりもします。

    しかし、同じ現場でも「役者」という商売は経験と日数を重ねるにつれ、仕事内容が「変化」していく不思議な商売です。

    例を上げると、役者は「子供の役」は子供が演じる商売であり「老人の役」は老人が演じる商売であるという事です。演者の実年齢を超越する場合もある事はありますが、役者は基本「実年齢の役を演じる」商売だという事。つまり、演者当人の立場で言うのであれば「年を重ねる毎に役(仕事)が変化していく商売」だという事になります。

    同じように板の上に立つ「ミュージシャン」や「ダンサー」等は特に年齢が関係する商売ではありませんが、そう考えると役者は中々特殊な商売でもありますね。

    …まぁふと思っただけで、当り前っちゃ当り前の話なんですけど。

    河野由佳という女優

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      河野由佳は先日まで「Ordinary Days〜なにげない日々〜」というミュージカルに出演していた女優なんですが、実は過去に私が作・演出する公演にも出てくれた方でもあり、また大学時代の後輩でもあります。

      今回色んな偶然が重なって、久し振りに由佳の演技を間近で観る事ができました(元々は別件で過去に何度か一緒に仕事をした大塚庸介君を観にいくつもりでした。偶然、由佳が同じ公演に参加していた)。

      で…公演の演技うんぬんはとりあえず置いとくとして、ちょっと久し振りに由佳に会って思った事。

      由佳は子役時代から芸能・芸術の世界に身を置く人間(幼少時にアニーとか、20代でレミゼのコゼットとかを演じています)でもあり、また人一倍ミュージカルが好きな子でもあります。年下ですが、業界キャリアでいえば私よりもかなりの先輩です。一方、学生時代の私はそれなりにプロ志向はありましたが、まだちゃんとプロ活動と言える活動はしていませんでした。つまり由佳は、出演者と裏方という立場の違いはあるものの「私のアマチュア時代とプロ時代の両方を知っており、また現在もプロとして活動する後輩」という事です。

      端的に言えば「(プロアマ時代を問わず)私の本質を知っている女優である」という事。

      由佳が出演していない回のゲネを観に行った時にその場で少し話をした(出番の日じゃないのになぜかいた)のですが、私がこの公演について知りたい事、聞きたい事を彼女は無意識に喋ってくれました(教えてくれた)。これには凄くビックリしました。比較的お喋りな私が黙っちゃうくらい(まぁ由佳は元々お喋りですが)。私の本質を「ちゃんと」分かっている由佳だからこそ…なんでしょうね。

      彼女は結婚、出産、育児と多忙であったが故にここ数年舞台活動をセーブしていたというのもあり、現場で由佳に会うのも随分久し振りだったんですが、その空白を一瞬で埋めてしまうだけの本質を突いた会話であり、また、アホの私にも十分に理解できる非常に分かりやすい内容だったのが印象的でした。

      我々も大学を出て随分と時間が経ち、ありがたい事に人脈やお客様も増えました。
      お互いがプロである以上、終演後の限られた時間に懐かしさだけで会話している場合ではないというのも当然認識しています。特に由佳は私のような裏方職ではなく「出演者」。挨拶すべき人は私以上にいっぱいです。

      傍から見たらドライな関係に見えるかもしれませんが、過去に皆様以上に深い会話をたくさんたくさんしているので、もうそんなに会話はしなくてもいいのかなぁ…と。本質さえ突いていれば、少ない会話でも十分なんだなぁ…と。久し振りに由佳と話をして、そんな事を感じました。

      またいつの日か一緒に仕事ができればいいなぁと思っています。

      「この公演やっててどう?」
      「楽しい!」

      母親になっても由佳は相変わらずでした。
      私にとって河野由佳とは、つまりはそんな女優です。

      写真は12年前の稽古中の由佳と私。2人とも若いです。


      「有事」と「芸術」と「震災」の話

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        という訳でもう3年ですね。

        芸術系の仕事に従事する人々は心が繊細な人が多く、皆様色んな思いのようですが…実は私はですね、当時も今も意外と「冷静」だったのです。


        というのも、私は「地震(が来るかもしれない)大国」である静岡出身なので、幼少の頃から地震とか津波とかの教育を嫌という程受けて育ったので、特に深く心が沈んだり、仕事に手がつかなかったりとかはあまりなかったのです(原発も浜岡近かったし、それなりに知識は持ってたし)。こうやって書くとちょっと不謹慎なのかもしれませんが、「とりあえず生きていれば何とかなるら」くらいにしか思っていなかったのです。
         

        芸術系の仕事は「有事」に弱い(有事の際に必要無い)一面を持っているので、当時、芸術系の仕事は激減しましたが、その他の一般系の仕事は普通にあったので、会社としてはそれなりに何とかなってました。
         

        さてそんな訳で現在ですが…世界的には「まもなく有事(結構大きめ)」って感じですね。今やってる仕事が落ち着いたら少し余裕ができるので、作家・演出家としても経営者としても、色々と今後の作戦を練ろうかと思っています。


        夜が明けたら現場です。初日です。
        お時間ある方は、ぜひぜひ銀座・博品館劇場まで。

        16日まで公演です。

        見上げたボーイズプロデュース 第11回公演 博品館劇場提携公演 
        ヒューマン・コメディ音楽劇「これから…。」
        http://www.miagetaboys.net/


        「見上げたボーイズ」新作フライヤーを制作・公開しました。

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          「この寒空の下、5人のオジサン達は一体どこへ流れて行くというのか…」

          という訳で公式サイトで情報が解禁されたのでご紹介。
          今回はこのようなフライヤーを作ってみました。

          見上げたボーイズプロデュース第11弾!!
          ヒューマン・コメディ音楽劇「これから…。」

          5人をオジサンだなんて書きましたが、裏面をご覧の通り、今回の公演はキャスト布陣が非常に厚く、見上げたメンバーが若手に見えちゃうくらいです。奇才な演出家、川本昭彦氏の演出手腕が非常に楽しみです。

          通常、演劇やミュージカルの場合「プリンシパル(主役級役者)」と「アンサンブル(その他大勢の役者)」は分けて考えられているんですが、私と川本さんは「小劇場出身」なのであまりそのような考え方がなく、今回のフライヤーでも(ちょっとはありますが)キャストは基本「並列掲載」をしています。なので、通常の演劇・ミュージカルファンや関係者には分かり難いデザインかもしれませんが、そこをご了承いただければと思っています。

          ちなみにもう一つですが、私が作るフライヤー(ポスターやパンフレット)は、基本「文字が大きい(ゴシック体が多い)」です。

          これは「年配者や老眼の方でも、できるだけスムーズに読める字で掲載したい」という私の願いです。どこかの電話会社の広告のように、小さな文字で言い訳を書くのもイヤなので。そうでなくても、小さい文字を読むのは疲れますからねぇ…。

          という訳で、ぜひぜひお楽しみに!

          公演詳細は、見上げたボーイズ公式サイトにてご確認ください。
          http://www.miagetaboys.net/




           

          舞台「まちがいつづき」観劇

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            円・演劇研究所、36期専攻科の卒業公演「まちがいつづき」を観て来ました。
            この公演は一般公開ですが、いわゆる「俳優養成所」の公演であり、出演者は全てそこの研究生です。

            率直な感想「養成技術がスゴい!」

            さすがは「役者の為の劇団」です。わずか二年で役者はここまで成長するのか!…とホントに感じました。昨年末にとある小劇団の公演を下北沢・駅前劇場で観劇したのですが、そこに出演していた同世代(もしくはそれ以上)くらいの役者とレベルが変わらん。ビックリです。講師の技量の高さを改めて実感しました。

            で、公演内容の感想です。

            今回は卒業公演にも関わらず、演出家は若手の吉野。
            通常、円だけでなく養成所の卒業公演はその講師に当たるキャリアを持つ演出家が演出するのが基本なのですが、その慣例を覆した円の執行部の決断は素晴らしいと思います。タマにはそういう卒業公演があっても良いと思います。

            彼女が「演出助手」私は「映像プランナー」として幾つか仕事でご一緒していますが、良くも悪くも彼女の苦悩と性格がハッキリ分かる公演でした。でも本当に頑張ったんだなぁ…と思いつつ、また色々と勉強にもなったりしました。

            で、ハッキリ書くと、公演自体は彼女がまだ若手で未熟であるがゆえに、周囲のプランナーやスタッフに影響「されすぎている」という印象です。本来演劇は「役者」や「演出家」(もしくは劇作家)がメインになるべきであって、プランナーやスタッフは演出家の意図や思想を的確に、かつ具体的に表現するいわば「影の功労者」であるべきです。演劇の世界には「照明賞」とか「美術賞」みたいなのがありますが、個人的にアレは好きではありません。プランナーが優位になってはいけないのです。プランナーが好きな事をやりたきゃ演劇じゃない「どっか別の場所」でやって欲しい、と個人的には考えています(プランナーが演出家の犬になれって意味ではないです、年の為)。

            そんな訳で、何となく「技術に追い付いていない演出」という印象を受けました。キャリアや年齢に関係なく、吉野の意見を上手く引き出せるプランナーやスタッフを用意するべきだったのかもしれません。

            コレは映像の世界にも言える事なのですが、昨今の演劇や映像は「テクノロジー」を優先するあまり、芝居の基本である「役者の演技や演出」がおざなりになる傾向があります(まぁ音楽のライブもそうかな?)。芝居の基本レベルの高い演劇集団円であるのであれば、尚更基本を重視して公演を作って欲しいなぁと思うのです。演劇に映像を取り入れ、またそれを「本職」としている私が言うのはちょっと矛盾しているのかもしれませんが、そのように感じました。

            ちなみに私は稽古が始まる前、もの凄く演出家や他のプランナーと打ち合わせや議論をして軽くプランだけを作り、しばらくは準備や稽古を観るだけで基本は何もせず、可能な限り稽古終盤・本番直前のギリギリになってから映像をダッシュで制作します(先に作っちゃうと、役者が映像に「合わせる」という芝居の矛盾が発生してしまうので)。

            少し話がそれましたが、そんな感じです。

            尚、出演者が研究生なので「誰誰が良かった」とかそういうのは書きません。皆一生懸命頑張っていたと思います。冒頭にも書きましたが、卒業公演としてはとても素晴らしい演技だったと思います。私も色々と勉強になったのも事実です。

            ちなみに「まちがいつづき」はシェイクスピアさんの「間違いの喜劇」なのですが、コイツホントにオタクだなぁ…と思っちゃったりしました。まぁ300年以上前に死んじゃってるので文句は言えませんが、間違いの喜劇は事前情報がない初見ではちょっと分かり難い台本なのです(ちなみに私は初見でしたが、やっぱり最初は混乱した。一回しか観れない演劇なんだから、もうちょっと上手く構成して欲しかった)。

            長くなりましたが、とりあえずこんな感じです。

            吉野はホントに良く頑張ったと思いますが、ちょっとだけで良いので厨二病を脱出し、もうちょっと「幅広い観客」に向けた演出ができるようになると良いなぁ…と思います。

            上から目線でゴメンね。でも今後も頑張ってね、吉野!

            …何か全体的に吉野の感想になってしまいました。失礼しました。
            円の次回作を楽しみにしています。

            舞台「三人姉妹」観劇

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              演劇集団円の公演「三人姉妹」を観てきました。
              最近業務日誌が「観劇日誌」となっていますが、FBやらtwitterやらで色々と記述しているので、まぁご勘弁を。

              ネタバレあります。これからご覧になる方は、観劇後にご一読していただけると嬉しいです。
              演劇業界の「裏方」「演出家」目線で感想をチャプター形式で記述しています。


              1:全ては役者

              やっぱり円の役者陣は他劇団とは比較にならない程層が厚く、豪華なキャスティングでした。現在私(弊社)は映像系が多忙の為、最近プロデュース公演をやってはいませんが、やはりこの役者層は羨ましく思います。

              2:作品と演出

              「チェーホフ」というロシア文学を代表する劇作家の戯曲らしいですが、私は長くこの業界で仕事をしているにも関わらず、彼の作品は一冊も読んだ事がありません(個人的にはロシア人ならザンギエフの方が有名)。まぁそう言った訳で率直な感想としては「濃厚で凝縮されたお昼の連ドラ」という印象でした。ほぼ登場人物の全てに、どうしようもない性格や過去・異性関係があったりする「アレ」です。中々ドロドロしていて面白いですねぇ…ちょいと原作を読んでみたくなりました。今風に言うなら、チェーホフというオッサンの「ヲタ」な思考を活字で読みたい、という感じでしょうか?

              個人的には演出が素晴らしかったと思います。円の前作「ガリレイの生涯」では、言い方は悪いですが何かウザったく、無理に現代の技術まで使うコザかしい演出効果が多かったのですが、今回はそれが全くない(まぁ演出家が別人ですから一概に比較はできませんが)。シンプルな構成、シンプルな演出。ストーリーや役者の演技を落ち着いて観劇できました。佐久間さんのセンスに脱帽です。

              音響や照明、舞台美術や衣裳も然り。各セクションが無駄に主張し過ぎず、至って自然な感じが良かったと思います。随分灯体(照明)が多く釣ってあるから初めはどうなるのかと思いましたが、相変わらず清水さんのプランはシンプルな色使いで好きです。彼の性格が非常に出ている照明だったと思います。

              3:主役の三人姉妹

              事前に千葉三春が「三女役」と聞いていて「おいおい、アンタは長女(もしくは二女)だろ」と思っていましたが、とにかく一生懸命稽古をしたのか、他の二人に助けられたのか、「ちゃんと」三女でした。う〜ん、とはいえコレは「演出や稽古での賜物」であって、やっぱりミスキャスティングというか…。やはり二女役の山根舞が三女役(つまり千葉さんとテレコ)でも良かったのではないかと。長女役の細越みちこは良い演技でした。みちこさんいい女になったなぁ…(もちろん良い意味で。やらしい意味ではない。同世代としては感慨無量)。

              山根さんも千葉さんも円の中では若手の役者ですが、他の中堅・ベテラン役者に負けない素晴らしい演技でした。今後、もっともっと彼女達の芝居を観ようと思います。

              4:興味深い脇役の布陣

              丸岡奨詞や宋英徳という「最近では中々観れない」二人の役者姿は、やっぱりスゴかった。両者共、業務で大変お世話になっている方々ですが、「あぁ、やっぱり彼らも役者なんだなぁ…」と改めて実感。凄く「円らしい」キャスティングだったと思います。やっぱり円の役者レベルは高い。

              ちなみに大竹周作(三人姉妹の兄役)の演技は安定していて好きですねぇ。大竹さんも主には「演出家」として業務をご一緒した経緯がありますが、やっぱり彼の演技は秀逸です。またお仕事ご一緒できればと思います。

              5:ちょっと気になる事

              よく「昼ドラ」には「憎たらしい(お客に嫌われる)」役が多く存在しますが、今回はそんな演目でした。2時間超で随分色んな役者を嫌いになりました(もちろん公演的には良い事です)。お客に好かれる役は、大抵の役者なら問題なく演じる事ができます。ですがこの逆は中々難しい。誰だって多くの人から「好かれたい」と思うのは人間としての「性」(モテたい根性と同じ)であり、その逆の役を上手くこなせる円の中堅・ベテラン役者の実力はホントに凄いと思います。

              …で、なんですが…

              今回の若手役者の芝居がちょっとなぁ…どうしちゃったんだ円?

              若手の芝居がヘタなのは別に円だけではなく、どの劇団でも同じですが、ちょっと今回出演した若手は、個人的には観るに堪えなかったかなぁ?実力のある中堅・ベテランと比較しちゃったというのもあるんでしょうが、それを抜きにしても苦しい。

              具体的に書くと、中堅・ベテランの演技の上辺だけをかすめ取っただけの印象が残りました(つまり芝居として「薄い」という事)。役者キャリアが足りないというのは理由になりません。今回主役の一人を演じた千葉三春や、同じく昨年のこどもステージで主人公を演じた山下真琴も、役者キャリアとしてはそんなに違いはありませんが、実力はまだまだにせよ、彼女達の演技は十分に納得して観れるモノでした(私ゃどちらも感動すらした)。

              要因として、主人公を演じた彼女達との大きな違いは「(上手かろうがヘタだろうが)役者としての一本筋がない」事だと思います。周囲に厳しく言ってくれる人材がいないのも事実かもしれません(変にのびのびし過ぎ。主軸が固まる前に揺らいでるイメージ)。演出助手の吉野や金子が同世代として、もうちょっとダメ出ししてあげても良かったかもしれません。ちなみに毎度記述してますが、私が厳しく書いているのは「彼らを応援している」からです。

              6:最後に

              今回の制作で同じく円の若手の宮本君が、初めてのチーフとして頑張っていました。彼は役者ではありませんが、同じスタッフとして今後とも応援していこうと思います。仕事のスケジュールってのもあったんですが「比較的空いている日」を選んで観に行ったのに満席でした。制作としては誇りに思って良いと思います。素晴らしかったぞミヤ!


              …長々と失礼しました。ご一読感謝します。

              円の皆様、今後ともよろしくです。


              舞台「ガリレイの生涯」観劇

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                 いつも仕事でお世話になっている演劇集団円の公演「ガリレイの生涯」を観てきました。 
                (毎度のご招待券には本当に感謝します!) 

                で、まだ公演中なのでココから先は興味のある方、既にご覧になった方のみお読みください。 


                円は弊社にとって大切なお客様でもありますし、今後もぜひお仕事をご一緒したいと思っていますが、感想は特に媚びません。私が「劇中映像作家・演出家」として感じた事をそのままに書きます。 


                1:役者のパワー 

                演劇集団円は「役者の劇団である」と私が常に感じている通り、円の役者の演技は本当に素晴しい演技でした。声のお仕事やテレビでは決して観れない「生」の姿がココにはありました。円だからこそ可能なキャスティング、円だからこそ可能な世界観がこの舞台では感じ取る事ができます。コレは本当に素晴らしかった! 


                2:作品とか演出とか 

                私は理系出身な事もありガリレオの話は非常に楽しみでしたが、バリバリの左翼・文系の作家が書いた「理系」の話なので、やっぱり何かがチグハグ、というか。分かりやすく説明している箇所は逆に分かりやす過ぎて退屈な印象、難しい箇所は文学思想的すぎて台詞の意味はサッパリ分からず。天文学や科学の現場を肌で感じ取っていない人間が書いているので、理系の人間からするとなーんか「薄い」「ゆるい」「中途半端」というか。 

                演出にしてもしかり。演出家の森新太郎さん(以下知り合いなのでモリシンと書きます)が何をやりたいのかがサッパリ分からん。個人としてのガリレオの人生をクローズアップさせたいのか、彼の功績を魅せたいのか、裁判での苦悩を描きたいのかがハッキリせず、どれも中途半端な印象でした。(多分全部を入れたかったんだろうけど、上演が長過ぎてアタマに入って来なかった) 

                演出効果も然りで、とにかく舞台美術が邪魔。一つの美術作品としてはとても良い印象なのですが、芝居が始まると凄くウザったくなってしまい、映像で補っているにも関わらず今いる場所やシチュエーションが分からなくなる。照明でも補えきれてない感じでした。 

                ※ちなみに美術家も照明家もお仕事ご一緒した事がありますが、思い切って厳しく書いてます。お二方とも、非常に尊敬しています。 

                ちなみに映像はあっても無くても良かった作品だと思います。多分モリシンは作品を分かりやすくする為に色々と映像を入れたかったんだと思いますが、逆に分かり難くなってしまったように思う(観客は映像を追わなきゃならんので)。 

                映像素材が地味過ぎて逆に混乱しちゃったり、いきなり現代の映像が出てきたり、取って付けたようなベタ過ぎる映像が出てきたり、サブリミナルもサブリミナルになってないし、と、使うならもうちょいコンセプトのハッキリした映像素材なら良かったかなぁ?と。フォントや大きさ・構図も中途半端だったし(一応専門分野なので専門的な感想)。 


                私も映像プランナーという裏方の立場なので、色んな事情は理解してるつもりです。ですが、ちょっと色んなセクションにバラつきがありすぎというか。変に時代にマッチした衣裳があると思えば現代っぽい衣裳も混在してたり、古い書籍が何故か安っぽい現代のスーツケースから出てきたり、とか。 


                とにかく全般的にも「演出効果」は「チグハグ」の一言に尽きるかと。意図的にしても中途半端だったかなぁ…。何度も書いてますが、役者の演技は相当に素晴らしかったので、ホント救われた印象です。 


                3:長い 

                いくら大作とはいえ、休憩を挟んだとしてもシアタートラムで3時間超は長過ぎです。 
                せめて2時間半でまとめて欲しかった。休憩も15分はあると嬉しいかも。 
                劇団内でもっと作品をブラッシュアップしても良かったと思います。 


                4:最後に 

                色々と素直に感じた事を書かせていただきました。厳しい事も書いてしまい大変失礼致します。 
                ですが、弊社のお客様劇団としても、そして個人的にも、円にはもっともっと素晴らしい劇団になって欲しいと外部の人間ながら一生懸命考えているからこそ「ちゃんと」感想を書きました。 

                私は劇評を書く評論家でもなく、この感想を書いたからと言って弊社に利益がある訳でもありません(逆に厳しく書いたから損しちゃうかも!)が、本当に素直な気持ちで書かせていただきました。 


                ご一読、本当に感謝します。ありがとうございました。 
                また次回の公演はありがたく観劇させていただきます。 


                5:オマケ 

                貴婦人の役も子供の役も「違和感なく」演じられる高橋理恵子さん。 
                アナタは本当に素晴らしい役者です!

                ※今回の公演チラシ


                 

                舞台「ウエアハウス」観劇

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                   演劇集団円の舞台「ウエアハウス」を観てきました。 
                  (ご招待券なんでお金払ってませんが。ホント毎度感謝します) 

                  いやぁ…とても「円」らしい、素晴らしい演劇でした。 

                  橋爪功・金田明夫主演。 


                  さて、生意気にも色々と感想とかを少しだけ。 
                  (ネタバレ的な事はあまり書いてません) 


                  1:全体的にザックリと 


                  話の流れ上、橋爪・金田両人の二人芝居がメインなのですが、とにかくまぁ…凄い演技だった。 
                  細部に至るまで役者の「技」と言った感じ。「なんということでしょう」ホントに匠の技です。もっと正直に書けば「テレビなんか観てる場合じゃない。彼らの演技は生で観るからこそ意味がある」。 

                  演劇集団円は、その元々の設立の経緯もあり、ここは「役者」の為の劇団です。 
                  今回の公演は、そういう意味でもホントに「役者の演技力」だけが全てであり、そういう意味でも「円」らしい演目だったなぁ、と感じるのです。 

                  演出家の事は詳しく知らないのですが、外部から呼んだ方なのでしょうか? 
                  (バンドでいう「ゲストミュージシャン」的な感じ?)本来ならば、ここも内部でやってほしかったなぁ…せっかく演出家がたくさん所属する劇団なので。んで、こういう演出ができれば尚良い、と。 

                  演劇自体は「芸術」のカテゴリなんで、言ってしまえば個人(観客)の趣味趣向に判断されるモノですが、役者の演技力というのは「技術(テクノロジー)」のカテゴリなので、スゴいものは「みんなが」スゴい、と感じる事ができます。まさに、そんな印象を受けました。 


                  2:裏方として思う事(ネタバレもあるので、イヤな方は2を飛ばしてください) 


                  私は本職が「劇中映像」のプランナー(映像作家)です。ま、演出家でもありますが最近自分で公演をやってないので。今回の演目で映像はありませんでしたが、まぁそういう立場もあり、ちょこっと専門的な感想でも少し。 

                  シアタートラムはその構造上、音がとても響きやすい劇場です。 

                  今回は演技を優先した為か、舞台装置がとてもシンプルでした。がしかし、ツアー用の演目として考えられていなかった以上、もうちょっと反響を抑える舞台装置にして欲しかったかなぁ。役者の声が響き過ぎてしまうので、複数の役者が登場しているシーンは、やはり会話が聴きとりにくかったかと。 

                  物語の背景を説明するのにちょっと時間を使い過ぎてたかなぁ?中央の盆も特に必要性は感じなかったし(あった方が良かったけど)。装置の少ないこういう芝居こそ、ささっと映像やスライドなんなりで説明をして本編に進んでも良かったのかなぁ、と。演劇初心者にはちょっと分かり難いスタートだったように感じます。「説明しない事=演劇っぽい=カッコいい」という論調を早く脱してほしい。 


                  3:もっと宣伝をしましょう 

                  これはまぁ円だけではなく、どの劇団にも言える事なんですが、もっともっと宣伝をして欲しい。こういう素晴らしい公演こそもっと多くの人に観て欲しい。しょーもない映画やテレビ番組や商業演劇、そしてくだらないWEBコンテンツの方がよっぽど宣伝をしているし、良くも悪くも多くの人の目に止まっています。ぶっちゃけあんなので感動して欲しくない。100分なら100分、こういう演目に時間とお金を使って欲しい。 

                  「橋爪功が主役の芝居<大根役者の某ジャニーズが主役のミュージカル」 

                  というこの世間の風潮、何とかならんかなぁ… 

                  ちなみに今回私は、演目が素晴らし過ぎて、現実世界に帰るのに30分以上時間を要しました。 
                  (コレ本当の話です。仕事の立場上、他者をあまり褒めない私ですが、本当にそうでした) 

                  特に円は役者で持ってる劇団なので、仮に自分が出演しなくてももっともっと宣伝をするべき。中々自分が出演しない舞台を宣伝するというのは難しい、と言う事は理解しますが、それでもやるべきだと思います。私も自分が関わる業務は、忙しくてもできる限り宣伝をしています。 

                  ちなみにコレはミュージシャンにも言える事なんで、演者を名乗る方は宣伝も業務の一つだと認識してください。 

                  ホント、円の舞台はもっと地方とかに持ってくべきだよなぁ…都内一か所だけの公演ってのは、ちょっともったいなさすぎる。 


                  久し振りに長々と書いてしまいましたが、こんな感じで。 
                  10月12日までやってますので、お時間ある方はぜひ観劇してください。 

                  http://www.en21.co.jp/warehouse.html

                  全然関係ないですが(まぁ一応円絡みとして)、私12月に演劇集団円にて「こどもステージ」の映像プランをやらせていただきます。二年振りのこどもステージです。 

                  こんだけエラそうに感想を書いてしまった分、どうしようかと焦りまくり&気合い入れて頑張ろうと思いますのでぜひそちらもよろしくです。 

                  ツイッターで月末くらいから、ちょこちょこと稽古&映像制作の模様をつぶやきます。 

                  http://twitter.com/#!/Kanjosen_Tec


                  あ、ご一読ありがとうございました。

                  テニミュで弊社を知ってくれたお方へ。

                  0
                    ごめんなさい、2ndシーズンの事は全然分からないし、過去に同じ演目を担当していたとはいえ、今回の事はホントに知らないので、お問い合わせだけは勘弁してください(ゴメン!)。

                    でも、当時は映像プランナーをしていてとても楽しかったので、次回公演も、きっと楽しい公演になると思いますよ。

                    皆様、来年の公演ではありますが、ぜひぜひお楽しみに!

                    ロケ弁の意味

                    0
                      芝居やライブでは、会場入りから「本番」初日までは、出演者及びスタッフにお弁当が出ます。いわゆる「ロケ弁」というやつですね。

                      ライブ・イベント系の場合は基本一回だけですが、芝居・ミュージカル系では本番まで2日3日とあるので、ロケ弁は、平均4、5回出ます。

                      おいしいです。

                      所でこのロケ弁には、二つの意味があります。
                      一つは「忙し過ぎて外に行けないから」というものですが、もう一つの理由は「皆で同じものを食べて、一体感を持つ為」というもの。普段あまり合うことのない人間が集まる業界ですので、こういった習慣が生まれたのだと思われます。

                      ですが、最近では制作さんが気を使って数種類用意してくれる事があります。
                      ま。。。嬉しい事は嬉しいんですけど。。。正直、複雑な気分です。弁当ネタでも盛り上がれんし。

                      という訳で?初日が無事に終了。

                      明日から、お弁当は出ません。
                      残念です。

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